歯周病は、歯の根にそって歯周病菌が入り込み、歯を支えている歯茎や歯槽骨などの歯周組織を壊していく病気です。 まず、歯茎が炎症を起こして腫れ、歯と歯茎の間の歯周ポケットが深くなります。
それがさらに深くなっていくと歯の土台となっている骨が吸収していき、膿が出たり歯がぐらつきはじめ、最後には歯が抜け落ちてしまいます。 健康な歯肉の人は歯周ポケットの深さは1~2mm程度ですが、歯周病にかかるとこのポケットがどんどん深くなります。 歯周ポケットが深くなればなるほど細菌の体内への侵入を容易にし、炎症がひどくなるわけです。
歯周病の進行
歯を支える組織は歯茎や歯槽骨などから形成されていますが、歯茎が炎症を起こす「歯肉炎」の状態から、それが悪化して歯槽骨まで侵食される「歯周炎(歯槽膿漏)」までを総称して歯周病といいます。
□歯肉炎
歯と歯の間や歯と歯肉のすき間にたまったプラーク(歯垢)や歯石が原因で歯肉炎は引き起こされます。 この段階では、歯を支える歯槽骨や歯根膜は破壊されておらず、炎症が起こっている状態です。 歯肉が赤く腫れ、歯磨きなどのちょっとした刺激でも出血しやすくなります。
□初期歯周炎
歯肉の腫れが大きくなり、歯周病菌が歯周組織に進入し、歯周ポケットは、3~5mm ほどになり、ポケット内にプラークや歯石がたまり炎症がより強くなります。 歯槽骨や歯根膜の破壊も始まり、水などがしみるようになります。
□中期歯周炎
炎症がさらに進行し、歯周ポケットも4~7mmと深くなります。 歯槽骨の吸収も進行し、歯を指で押すとグラグラしてきます。 歯肉がブヨブヨに腫れ、歯周ポケットから膿が出て口臭がひどくなり、歯が浮く感じがして、ものが噛みにくくなります。
□末期歯周炎
歯のぐらつきが著しくなり、歯肉も全体的に真っ赤になり、出血の量も多くなります。 歯周ポケットは6mm以上にもなり、歯槽骨は半分以上破壊され、歯根が露出します。 歯を保つことができなくなり、最後には抜け落ちてしまいます。
歯周病の症状
●口臭が気になる。
●歯を磨くと時々歯ぐきから血が出る。
●歯茎から膿みたいなものが出る。
●冷たい飲み物がしみる。
●歯肉が下がってきた。
●歯の隙間が広くなった気がする。
●歯がグラグラする。
●歯肉が腫れたり、痛むことがある。